南京街

 南京街の雑貨屋は爆竹を仕入れる場所に決まっていた。指折り数えて、そこいらを歩いていたのはもう二〇年前だと気づく。パンダがあふれていた。あふれているのがパンダだけだったら、下北沢と区別がつきやしない。毛沢東もあふれていた。どちらにしたって、黒い鼠の跳梁跋扈に比べりゃなんぼもマシだ。