計算

 計算しつづけなければ生きられない計算機たちと、計算させつづけなければ生きられない人間たちの、哀しい恋。バベルの図書館の任意の閲覧室、「それ」と「それ」はたまさか同じ本に手をのばした。その指先がふれあった瞬間、始まらなかった恋と終わらなかった恋の物語。計算だけが積み重なっていく。